2024年5月24日
仙台空港カントリークラブを守る会の皆様へ
千葉県市原市米原1639番地1
株式会社エイチ・ジェイ
代表取締役 岡本 豊
現状についてのご説明・ご報告
拝啓 仙台空港CCの会員の皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、既にご報告申し上げたとおり、弊社は、昨年4月28日、東京地方裁判所に対し、株式会社仙台空港カントリークラブ(以下、「SKCC」といいます。)の会社更生手続開始の申立を行いましたが、残念ながら、本年3月29日に棄却決定が出されました。
弊社は、棄却決定に対して直ちに時抗告を行っておりますが、まずは、このような事態になり、会員の皆様に多大なご迷惑とご心配をお掛けすることとなったことを深くお詫び申し上げます。
東京地方裁判所が会社更生手続開始を棄却した主な理由は、株式会社WOコンサルティング(以下、「WO」といいます。)からSKCCに対する6.2億円の贈与によって債務超過が解消されたと判断した点にあります。
しかしながら、6.2億円は実際にはSKCCの口座に入金されておらず、SKCCの代理人弁護士が預っているにすぎません。しかも、SKCCの現経営陣がWOによって事実上支配されていることからすれば、事後的にWOとSKCCとの間で贈与契約が解除されてしまえば結局6.2億円は仙台空港CCのために使われずにWOへ戻るだけです。
そのため、弊社としては、上記の贈与は会社更生手続開始決定を免れるために一時的に資金を動かして債務超過が解消されたように見せかける、いわゆる“見せ金”にすぎないと考えており、前記の即時抗告においても、6.2億円の贈与によって債務超過は解消されていないと主張しています。
更に、弊社は、SKCCに対する会社更生手続とは全く別の手続として、SW開発株式会社(以下、「SW」といいます。)についても破産手続開始の申し立てを行い、既に破産手続開始決定が東京地方裁判所から出されております。
現在、(前記の即時抗告手続と並行して、)SWの破産手続の中で、裁判所が選任した破産管財人は、SWが保有しているSKCCの株式を入札によって換価することを考えております。弊社がSKCCの株式を取得すれば、再び仙台空港CCの経営権を回復することが可能になります。
現在、破産管財人は、入札の実施に先立ち入札条件を検討中であり、まもなく決定されると思われますが、入札手続においては、当然ながら、落札者が円滑に仙台空港CCの経営権を引き継げなければなりません。
しかし、現状では、WO側が前記の会社更生に対する対抗手段として詐害的に締結した、SKCCとガーデンゴルフクラブ株式会社(以下「ガーデンゴルフ」といいます。)との間の営業賃貸借契約が存在しております。
この契約は、仙台空港CCの営業権を20年もの長期間にわたり賃貸しているだけでなく、契約に関する紛争の裁判管轄権は中国とされているため事実上解約は困難な状態であり、このままSKCC株式を落札したとしても、仙台空港CCは”空箱“の状態になっています。
そこで、弊社としては、このような状態を解消すべく、破産管財人に対して、SKCCの株式入札を実施するための前提条件として、
① SKCCに対する6.2億円の贈与金がWOに返還されないよう保全手段を講じること
② SKCCの役員を変更し、公正中立な状態に戻すこと
③ 入札実施前にSKCCとガーデンゴルフとの営業貸借契約を解消すること
の3点を求め続けております。
破産管財人も現在の状況を十分に把握しており、弊社の要求内容とその理由についても当然理解していると思われます。弊社としては、今後も、上記要求の実現に向け働きかけを続けてまいります。
これに対して、SKCCの現経営陣らおよびWO側は、「SKCCの会社更生事件の結論が未だ確定していないため、SKCC株式の入札手続を進めることには協力できない。」などと述べて、入札条件を検討することすら頑なに拒んでおります。
しかし、SKCCの会社更生事件とSWの破産事件は全く別の事件であり、SKCCの現経営陣およびWO側の主張に合理的理由が無いことは明らかです。
弊社にとっては仙台空港CCの会員の皆様の利益を図ることが第一優先順位であり、弊社が経営権を回復した暁には、速やかにコース改修を実施してコースコンディションの向上・維持を図るとともに、皆様に喜んでいただけるようなスタッフ人事を実施したいと考えております。このように、会員の皆様に安心して仙台空港CCでのプレーを楽しんでいただくためには、弊社がSKCCの株式を取得して仙台空港CCを安定して経営することが必要不可欠であり、そのためには、前記のような公正かつ公平な入札条件の下で速やかに入札を実施しなければなりません。
にもかかわらず、WO側が自分たちの利益を最優先して営業賃貸借契約の解約を頑なに拒み、仙台空港CCの不当占拠を継続しているため、紛争が長期化し想定外の時間が経過することとなっており、その結果、会員の皆様に多大なご迷惑をおかけする事態が生じております。
いずれにしても、仙台空港CCの経営は、裁判所が主導する公正かつ公平な手続(会社更生手続又はSWの破産手続)において決定されるものであり、このままWO側による経営継続がすでに確定しているわけでは決してございません。
弊社といたしましては、速やかに裁判所における諸手続を進め、仙台空港CCの経営権を回復することによって会員の皆様に安心してプレーをしていただくために今後も全力を尽くす所存です。
つきましては、会員の皆様におかれましても、ご理解とご協力をお願いしますとともに、SKCC及びWOに対して、裁判所の手続に協力するようを強く要望するなど、弊社に対するご支援を賜りたくお願い申し上げます。
敬具